Only Three Months
First Day
早めに起きて、学校の準備をする。
今日が、アリーの庶民学校1日目。


「公務より緊張する」
「転入で緊張するのは普通だし、そこまで意識しなくても」


しかも、階級の違う学校に正体を隠して入るんだ。
アリーの緊張が、オレにも移る。


「アリー、メイクしないと」
「うん」


サーの奥さんから教わっていたらしい。
荷物の中にもいろいろと入ってた。
オレがアリーの手助けをしてあげられないことのひとつ。

しばらくして洗面所から出てきたアリーは、まるで別人。
女の子って化けるよな。
誰か分からないくらいまでになれるし。
交流会でも思ったけど。


「…メイクってすごいね」
「公務のときよりだいぶ濃いよ」
「そういうときも自分でするの?」
「してない」


カモフラージュ用のメガネも効いてるんだろう。
アリーって知ってなかったらアリーには見えない。
油断は、できないけど。


「準備はいい?」
「うん」


ふたりで家を出る。
すごく、変な感じ。


「雰囲気、つかめたらいいね」
「そうね、マイク一緒にいてくれるんでしょ?」
「ああ、あとエドもな」
「交流会のときにいた方ね」


やっぱり覚えてるんだ。
さすが。
きっと、いろんな国の王の顔と名前を憶えてるんだろう。

エドには、オレが養子になって女の子と同居することになったことも、
一緒に庶民学校へ通うことも伝えてある。
オレと一緒に行動するってことは、
必然的にエドとも行動することになるから。


「マイク!!」


エドが、オレたちを見つけて駆け寄ってくる。
オレの家と学校が逆方向だから、エドは逆走することになるのに。


「この子がアリス?」
「そう」
「アリス・リリーです」


エドも自己紹介。
エドじゃなかったら、こんな安心感はないんだろうな。
いきなりすぎることを受け入れてくれるのも、
長年の付き合いがあるからだろうし。
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