ノラと呼ばれた男【壱】
思わず、溜め息を吐き。

靴から上履きへと履き替える。







「おっはよ、姫」


不意に肩を叩かれ、振り向けば。

今、登校して来たのかいつものメンバーが揃ってて……て言うか、

皆さん眠そう。目の下にくまなんて作って徹夜でもしたの?ってくらい酷い顔




「どしたの、くまヤバイよ」


「え、やっぱ分かる?」


「つか寝みぃ」





と、藍と時雨が順に口を開けば、

やんわりたとした口調で羽音が説明してくれた。勿論、彼もまた眠そうで、


「ふふ、……人探ししててね」




え………………それって、まさか、




「見つかった?探してた人」



「見つかんなかったー!入れ違いだったかも」








と、藍が肩を落とした。


まさか、あれからずっと……探してた?





「ねぇ、姫はノラって聞いた事ある?」



「超強くて、俺らの憧れ」



「目標が大き過ぎますが、ね」








と、藍、時雨、羽音が、表情は違うものの嬉しそうに話すから。


私は直視できなくて、





あの時の、嫌な記憶が蘇る。


『化け物だよ、お前……住む世界が違う』






いつの日か、言われた台詞

その時、‘’俺‘’はどんな表情してたっけ

















「一華」
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