その王子様、結婚してるってよ!
コネだろうがなんだろうが、私は仕事が楽しくて仕方ない。
だって、少しでも役に立つと言われたい。
少しでも自分に力をつけたい。
いつの日か…稜ちゃんに捨てられても生きていけるように。
気まぐれな結婚をしたと稜ちゃんが気づいた時、私はきっといらないと言われる。
そんなことを考えてしまうほど、私は稜ちゃんを信じきれていない。
だって稜ちゃんは、昔から星の王子様だった。
茶色の柔らかな髪の毛を靡かせてにっこり笑う姿はまさしく貴族の王子様。
誰にでも優しくて、なんでもできて。
ご両親はお金持ち。
しがない総合病院の我が家とは大違い。
星月グループを仕切るお父様と、グループNo.2の企業月野コーポレーションが実家のお母様。
世界的有名な一族の息子の稜ちゃんの嫁が、こんな冴えない私。
もっと、いい縁談があったに違いない。
もっと素敵な女性が現れたに違いない。
自分に自信がない私はいつも卑屈な女だ。