例えば君に恋しても


「会社以外で会う口実を作れるならなんでも良かったんだ。


君に会いたかった。」


微笑みながら真っ直ぐ見つめてくるから

どうしようもない。


今日だって、昨日だって、社長室専属になってから、毎日無駄に8時間一緒に過ごしてる。


しかも本当に仕事してるのはその内の1時間位だ。


だって社長室のみならそれくらいで終わるのに、無駄にあれこれ理由をつけて7時間も残業。


むしろ、時間の潰しかたで毎日困ってる。

そんなの同僚に知られたらブーイングの嵐になること間違いない。

それでも

会いたいなんて・・・


まるで本当の恋心みたいで


反応に困る。


「今日は良い日だった。

君の好意がちゃんと伝わってきたからね」嬉しそうな彼に、今日一日で何度目なのか数えきれないほどに、また、私は首を傾げる。


「好意なんてない。」

「でもさっき、君は絢香さん方を見つけて僕を頼るようにこの袖を捕まえてきただろ。」

その言葉に自分のさっきの行動を思い出して、頬が熱くなったのは彼がよくわからない話をするまでだ。


「無意識の行動は本能の行動だ。

本能で、俺にしがみつく。なんて相当な好意だ。」


自信たっぷりな態度。

聞いててなんとなく腹がたった。


私的にさっきの行動は、転んだら手を付くくらいの、反射と似た行動だ。

自分を守るための咄嗟の行動。






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