例えば君に恋しても


「珍しく大人しいね?」

私を抱き締めながら確認するように呟く君の声は自信に満ちている。


「本当に私の事が好きなら傷つけないで・・・」

「宣言した通り、僕は幸せ以外を君にあげるつもりはない。

だから信じてればいい。」


どうしてそんなにハッキリと言えるのだろうか?

だってあなたはこの国でも有名な財閥の跡取り息子でしょ?

根拠のない自信を信じて傷付くのは私だけだと、知ってるはずなのに

それが今を凌ぐための優しい嘘だとしても

それを信じても

いつか傷付くのは私だけ。



例えば君に恋しても

傷付くのは私一人だけなんだって

私はあなたに恋をする前から知ってるよ。


もしも

傷つかない未来が保証されてると言うなら


君の扱い方と一緒に教えてもらいたいくらい。


傷つかない保証があるなら

きっともう

とっくに恋に落ちてる。

そうあの日

私を救ってくれた君に

恋をしないわけがない。


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