My.doctor…?

「朝ご飯は食べたのか?」


「…まだです。食欲なくて…」


「食べないとだろ。薬も飲まないといけないし」


「…はい」



そんな話をしていると
計測中の体温計が小さく鳴った。




熱は…37.5℃



「…微熱だな。何か作ってくるから、少し眠ってろ」



咲桜ちゃんが小さく頷いたのを確認し部屋を出た。




キッチンで粥を作ったり
梨を切ったりし
数十分して部屋に戻るが
咲桜ちゃんはすでに眠っていた。




起こすのは可哀想だよな…。





テーブルにお盆を置いて
そのまま部屋を後にした。



夜勤明けだし
俺も少し眠るか。




…いや。
もし咲桜ちゃんが発作を起こしたら
すぐ気付かないとマズイ。




それほど眠い訳でもないから
仕事でもするか。





コーヒーを作り
リビングのソファに腰掛け
ノートパソコンを開く。



静かなリビングに
時計とキーボードの音だけが響く。







そんな中
ふと考える。







"独り"って
こんな感じだったろうか…











< 299 / 316 >

この作品をシェア

pagetop