My.doctor…?
「熱が上がったか…」



急いで彼女を抱き抱え
部屋へと運びベッドに横にして処置を始める。



熱で体力が奪われているんだろう。


眠る前よりグッタリしている。


点滴をしながら
咲桜ちゃんに視線を向ける。


なぜだか…

苦しそうに眠る彼女を見て
一瞬俺は、心臓が高鳴った。





理解しているはずなのに
どうしてだろうか…












咲桜ちゃんが愛しくて
キス…したくなる。


















医者としても男としても
俺が今思った事は最低だ。


どうしようもない野郎だ。




でも…

それでも
想った事は事実だ。












「…ごめん」



咲桜ちゃんの前髪に触れ
ゆっくりと顔に近付く。







理性はある…たぶん。







唇にキスしたくなる衝動を抑え
俺は躊躇いがちに彼女の額にキスを落とす。





そして
聞こえないように
微かに呟いた。









「愛してる…」













すると。











「先生…?」


「ッ!?」







驚いた。





聞こえたかどうか
突然咲桜ちゃんが目を覚ましたから。












まさか


キスに気付いた!?








< 301 / 316 >

この作品をシェア

pagetop