My.doctor…?
何度も先生の声が聞こえてきた。



あれは
夢?

現実?


それとも
願望だったのかな…。








ふと目が覚めた時は
部屋の中は薄暗く静かだった。

辺りを見回しても
近くに先生の姿はない。








今は何時なんだろ。





ゆっくりと体を起こしてみるが
頭痛はほとんどなく
具合もそれほど悪くない。

ただ若干のダルさと
酷い寝汗が気持ち悪い。


時間を確認するため
ベッドサイドのテーブルに置いてある
スタンドライトの電源を入れた。

すると
お盆と小さいメモを発見。

どうやらご飯みたい。

メモには
『一度、病院に戻る。目が覚めたらご飯を食べて薬を飲め。そして大人しくしていろ。すぐ帰って来るが、何かあったら電話しろ。速水』

と、達筆な字で淡々と書かれていた。




先生…ここにいたんだ。

恥ずかしいッッ


それにあたし
昨日とんでもない告白したんだッ



『好き』だとか
『そばにいて』だとか…
全部覚えてる。


熱の勢いか
なぜか言いたくなって
伝えたくなって
口が勝手に動いてた。

風邪って怖い。
いろんな意味で…。





先生
きっと困ったと思う。

嫌がったかもしれない。



「やってしまった…」



今さらながら大後悔。





< 304 / 316 >

この作品をシェア

pagetop