キラキラmemoriy
「よろしくね!!」
ふんわりとした声が2人の顔を挙げさせる。
聞いたことがあるような声だと思ったのは、気のせいだろうと考えたのか、届人はすぐに視線をすぐに移した。
「よろしく」
なんでこいつは、俺らに声をかけたんだろう?
俺の容姿を見てか?
だとしても、熊が近くにいると大体は寄り付かない。
優しいやつなんだが…見た目がゴツイからな。
「くまさんと届人くんは、同じ学校から来たの?」
「あぁ。保育園から同じ、幼なじみ」
「おさな、じみ…?」
「ん。届人とは親友」
「親友…!!」
幼馴染みで親友という関係がわかったところで、教室のドアが開いた。
「はぁ…」
嫌そうな顔をしたのは、届人だ。
「席つけー。初日だっつーのにうるせぇなぁー。」
教卓前に立ったのは、スーツをしっかり着こなした若い先生だ。
茶色い髪、整った綺麗な眉、少しダルそうな表情。
「全員いるかー?面倒だから出欠はとらねーけどいるよなーおけおけ。」
教師として…それでいいのか不安になったのは、きっと届人だけではないだろう
「んじゃぁ、咲籠、号令かけて」
「えっ?!なんで俺!?」
「ほら」
届人が舌打ちをしたが、それに気づかない先生。
「きりっつ」
届人の号令で、イスのガラガラと引く音が響く。
みんなよりワンテンポ遅れて、友逢が席をたった。
友逢が立ったのを確認し、届人は少し声を張る。
「気を付け、礼」
「「「「おはよーござます」」」」
座るのも、声を出すのもワンテンポ遅い友逢。
それに何故かツボった届人は、軽く笑う。