うつりというもの
田島理恵、だった。

遥香はすぐに反応した。

振り向かずにすぐに脱衣所に飛び込むとガラス戸をピシャリと閉めた。

田島理恵の首はガラス戸にぶつかってきた。

ガラス戸は実際にはガラスではなく、強化プラスチックのはずだった。

「なんで!?」

遥香はプラスチックが割られてもいい様に紙袋を押し付けた。

何度もぶつかってくる振動が紙袋を通して強くなってきた。

紙袋を押し付けて押さえているせいで音はあまり響かなかった。

右手に持ったままのケータイは咄嗟に胸ポケットに入れた。

どういうこと?

遥香は混乱していた。

なぜ彼女の首がここに?

なぜ私を?

うつりと対峙した時も、自分を狙ってはこなかった。

なぜ今さら?

なぜ…
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