甘え下手の『・・・』
『お疲れ様です。『今度』が大変遅くなってしまいごめんなさい。都合の良い日などありますか?』

送信!

固い文章だな。同期なんだからもっとフランクでいいのに、と自分であきれてしまう。

スマホをテーブルにおき、アイスコーヒーをとりに冷蔵庫をあけていると、着信の音がなった。

「はやっ!」

急いでスマホを開くと、

『お疲れ。待ちくたびれてた。利子がついたんでよろしく。今週は金曜なら助かる』

利子って…借金した訳じゃないのに、と笑ってしまう。

『ランチでごまかそうと思ってたのに無理ですか?(笑)』

『甘い考えは捨てろ』

『じゃ、何食べたい?』

『銀座で寿司』

『あのダンボールそんな重くなかったよね!?』

『いつもの居酒屋。焼き鳥食いたい』

『やっぱり重くなかったんだ(笑)了解です』

『仕事終わったら連絡する』

『わかった。待ってます』

『なんかいいな』

『何が?』

『何でもない。おやすみ』

『うん、おやすみなさい』

文字での会話が終わった時、心が温かくなっていた。

< 16 / 73 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop