甘え下手の『・・・』
「瑞希も筧くんと今夜から休日をゆっくり過ごしなさい、ってこと」

ウィンクをしながらいいアイデアでしょ?的な顔をしているけれど、

「いやいや、おかしいから。そんなんじゃないって言ってるじゃない!」

「何が違うのよ!筧くんのこと好きじゃないの?」

直球を投げられ言葉を失う。

「正直に言えば、そうなってきてるんだと思う…」

「じゃあ「でもね!」

今度は私が真由香の言葉を遮る。

「でもね、あの同期会の時まで私本当に筧くんのこと何も想ってなかった。もちろん同期としてはってのはあったけど、それ以上でもそれ以下でもなかったの」

真由香は口を挟まず私の話を聞こうとしてくれている。

「それがね、あの時から気になってる。甘い言葉言われてその気になってる自分がなんか…軽い気がして…。ホントに流されてる気がして…なんか…筧くんに申し訳ない…」

言葉が続かない。筧くんが本気でいてくれるのならば、私もちゃんと向き合いたい。流されたとかじゃなくちゃんと。でも今の私は気持ちにその自信がない。



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