【完】螺旋のように想いを告げて
パーティーが終盤に入った頃、爆弾おにぎりにやられた俺はぐったりしていた。すると母さんからの手伝えという命令。
久しぶりに帰ってきた息子を使うのか。いや、関係ないのか。それでこそ母さんだ。
俺は咲良と祐介をリビングに残し、キッチンに移動する。食器を洗う母さんの横で皿を拭いてしまっていく。
しばらく無言で作業していたが、母さんがくすくす笑いながら話しかけてきた。
「ほんと、背が伸びたね。そりゃあそうだよね、成人したんだし」
「もしかして、成人式に来なかったこと怒ってる?」
「……怒るっていうか、ちょっと寂しかったかな。でも、亮には亮の考えがあるんだろうし」
母さんは寂しいとか言っていたが笑顔だ。
昔のことはあまり引きずらないタイプだし、顔に出ないからわからないけど。