【完】螺旋のように想いを告げて


「俺が気持ちを抑えた結果、咲良も祐介も悲しませていた。望まないものばかりが現実になる。そりゃ、咲良が死ぬことに比べたら大したことのない事柄なんだろう」




 実際、幼なじみでいられるならそれでいいと思っていた。だから願いを叶えて祐介に託そうと考えたんだ。



 でも、2人にとって辛いことばかりを経験させた。
 俺のせいで。




「考えてみれば生き地獄ってやつだ。願いを叶える前も後も、何も変わってない。願いを叶えて代償払って、何の意味もなかったんだよ。あんたにはわからないかもしれないけどな」




 皮肉たっぷりに言ってやる。まだ姫巫女は涼しい顔をしたままだ。




「だから決めたんだよ。あんたの真似をして契約で幸せになるってな」

「失敗した時のことは考えなかったのか?」




 やっと姫巫女が口を開く。
 人の色恋沙汰に興味ないような顔をしていたが、聞いてはいたようだ。
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