【完】螺旋のように想いを告げて
「もちろん考えたさ」
「では、なぜだ。なぜ、そこまで強気な行動に出られるのだ?」
「契約違反だと言われて咲良が死ぬことになっても、俺は受け入れるつもりでいたから。元々の運命を受け入れるんだ。それが本来の道なんだろう? 螺旋なんて言って回り道し過ぎたけど、元の道に戻っただけのこと。俺は咲良を愛してる。だからこそ、逃げるのはやめた」
少しだけ間があった。
感情を表に出さない姫巫女が、狼狽えているようにも見られる。そんな姿は初めてだ。
「もしもギリギリで切り抜けられたら、本当に結婚して生きていこうと思ってたんだけどな」
脱力感が体を動かなくする。
俺は立っていることもキツくて、ため息とともに座る。