【完】螺旋のように想いを告げて

本当の気持ち




 ***




 咲良はいつも同じものを欲しがる。それに同じ話題を共有しようと思って必死になるんだ。



 幼なじみとはいえ、もう高校生なんだからお互いに好きなものを持てばいい。



 女同士ってわけじゃないんだから、咲良は理乃ちゃんと女子トークすればいいと思う。



 時々、咲良の存在が面倒だって思う。
 それでもキツく言わないのは当たり前だからだ。



 隣に咲良がいて、バカみたいなお喋りして、恋人でもないのに家に来たりして。全部が当たり前になってしまっているからだ。



 当たり前すぎて、好きなのかどうかって気持ちもわからなくなって。
 幼なじみとか友達っていう当たり前なのが時々、辛くなる。



 そう、辛いんだ。

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