【完】螺旋のように想いを告げて
俺、何か変なのか?
いや、むしろ普通なのかもしれない。ただ、認めたくないだけだ。
俺は咲良が――――。
「つーか、祐介遅い!」
話があると言い出したのは祐介だ。
早めに帰れると思っていたのに。
俺の予定はどうしてくれるんだ。
「予定、ないけどな」
いや、それにしたって遅い。
咲良に捕まると厄介だと思って、ホームルーム後に走って屋上まで来た俺の努力はどうしてくれる。
正確に言えば、屋上扉前の物置状態の踊り場だ。
文化祭やら体育祭の物が雑然と置かれたここが待ち合わせ場所。すでに30分オーバーだ。
さては咲良に捕まったな。野球部が聞いて呆れる。走り込み不足だ。
これではいつ祐介が現れるかわからない。
諦めて教室に戻ろうかと思って振り向くと、息切れして手すりに掴まる祐介がいた。