【完】螺旋のように想いを告げて
「咲良。お前、バカだろ……」
毎日顔を合わせてバカ言って笑っていたのに、咲良の顔がぼやけそうになる。
最後に見た顔が怒り顔なんて、嘘みたいに傷つけないでほしい。
淡いピンク色のカーテンを開けて外を見てみる。
明るかった空は、いつの間にか薄暗くなっている。腕時計を確認すると、もう午後6時だ。
夕飯は何を食べようか。
風呂はシャワーでいいかな。
学校はどうなっているんだろう。
そんなどうでもいいことを考えていたら、門の前に祐介がいることに初めて気がつく。
「あいつ、来てくれたのか……」
夏休み前に告白するって宣言したのは昨日だ。
言っていたばかりだった。