Dance in the rain
カチャ……

かすかな音がして。
「花梨?」
翔也の声が、あたしを呼んだ。

びくん、て、身体が硬直する。
怒って……るよね。黙って飛び出しちゃって。
みんなに迷惑かけちゃって。

ギシッ

スプリングがきしむ音。
翔也の、気配。

あたしは沈黙に耐え切れなくなって、
布団をはねのけると、ガバッて土下座した。

「ごめ、ごめんなさい、ほんとにごめんなさい! 呆れたでしょ、めんどくさい女嫌いだもんね、ごめんね、ごめ……きゃっっ」

勢いよく腕を引かれて。

あたしは翔也に抱きしめられていた。
きつく、息ができないほど強く。

「しょっ……」
「悪かった」

……え?

「無理やり踊らせようとして、悪かった」
「……怒って……ないの?」
「怒る? なんで? そもそも無理言ったのはこっちだし」
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