Dance in the rain

「こっち見んな」
「え?」

「……めちゃくちゃかっこわりぃ……」
くそって舌打ちしつつ、ふてくされて横を向いた翔也は、年上なんかに見えなくて……なんか、かわいい。

「お前、今笑っただろ」
「わ、笑ってないって!」
「いや、笑った」
「笑ってないよぉ!」

「どら猫のくせに生意気なんだよっ!」
翔也の手があたしの髪に差し込まれて、くしゃくしゃってかき回す。
「ちょっ……コーラかかるからっ! もぉおっやだってば!」

不思議。
もう、周りの視線なんか、気にならなくなってた。

ねえ翔也。
言いたいよ。
あなたが好きって、言いたい。
でも。
言ったら……あたしたちの関係、変わっちゃうのかな。

やっぱり今も、恋愛はめんどくさいって思ってる?
あたしはやっぱり、まだ野良猫かな。

ねえ翔也……
聞かせてよ——
< 132 / 264 >

この作品をシェア

pagetop