Dance in the rain
「こっち見んな」
「え?」
「……めちゃくちゃかっこわりぃ……」
くそって舌打ちしつつ、ふてくされて横を向いた翔也は、年上なんかに見えなくて……なんか、かわいい。
「お前、今笑っただろ」
「わ、笑ってないって!」
「いや、笑った」
「笑ってないよぉ!」
「どら猫のくせに生意気なんだよっ!」
翔也の手があたしの髪に差し込まれて、くしゃくしゃってかき回す。
「ちょっ……コーラかかるからっ! もぉおっやだってば!」
不思議。
もう、周りの視線なんか、気にならなくなってた。
ねえ翔也。
言いたいよ。
あなたが好きって、言いたい。
でも。
言ったら……あたしたちの関係、変わっちゃうのかな。
やっぱり今も、恋愛はめんどくさいって思ってる?
あたしはやっぱり、まだ野良猫かな。
ねえ翔也……
聞かせてよ——