Dance in the rain


「うわああああん!」



唐突に。
すぐ近くで湧いた泣き声に、あたしたちはピタってじゃれあうのを止めて、
キョロキョロ、声の主を探した。

数メートル先、女の子がうつ伏せに倒れてわあわあ泣いてるのを見つけて、あたしは立ちあがった。

「大丈夫!?」
抱え起こすと、転んで擦りむいたっぽくて、膝に血がにじんでる。
「転んじゃったんだね」
あたしがのぞきこむと、涙をためた大きな目が、あたしを見上げた。

うわ、何この子っ! か、かわいいっ!!
思わず二度見しちゃうほどの美少女だった。

小学校の低学年くらいかな。
まあるい大きな目に、くっきり二重。
白い肌はつるっつるぷるぷるで。
日本人離れしたっていうか、ハーフっぽい感じ。
しかも、ディズニーのお姫様みたいなドレスを着てて、それがほんとによく似合ってる。

「保護者はどこだよ? 一人にしやがって」

辺りにそれらしい人は見当たらない。
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