Dance in the rain
消毒液をつけて、絆創膏をペタって貼って。
「これでよし」
「あ、ありがとうございます」
「翔也と喧嘩でもした?」
ふいに。
さらりといつもの調子で聞かれて、あたしはびくっとした。
「いえ、あの……別にそういうわけじゃっ」
「花梨ちゃん、すぐ顔にでるから、わかるよ」
くすくすって笑いながら、あたしを覗き込む。
「『もう別れてやる』とか、売り言葉に買い言葉で言っちゃった?」
「ちち違いますっ! だって……あたしたちは、そもそもつきあってないので」
「え、そうなの?」
驚いてる純さんに、あたしは頷く。
そうだ。あたしたちは、恋人同士なんかじゃない。
「そっか……でも、花梨ちゃんは好きなんだよね? 翔也のこと」
嘘をつけるような、そんな余裕、なかったみたいで。
あたしは小さく頷いた。