Dance in the rain
「あたしたちは……一緒にいない方がいいと思う」
絞り出したあたしの声に、
小さくハッ……て、皮肉っぽい嗤いがかぶさった。
「純にでも乗り換えたのかよ」
「……え?」
「それともマスターか?」
「な……」
「エサもらえりゃ誰にでもほいほいついてくんだな。野良猫ってのは」
「ひどっ……」
あたしが声をあげる間もなく、翔也の体が、ぐいって後ろへ引きずられて。
派手に後ろへゴロン、て。尻もちをつく。
「ってぇ……」
「そのジョークは笑えんな。いくらお前でも、出入り禁止にするぞ」
腕組みしたマスターが、仁王立ちしていた。
「花梨ちゃん、中に戻ろう。こいつは放っておいていいから」
マスターに促されて。
あたしはドアに足を向けた。