Dance in the rain

「やややややばいよね、それって。やっぱりダイエットしなくちゃ!」
頭をかかえながら、あたしがテーブルの上にまだ残っていたカスタードプリンをジトォって見つめていると。

「そうじゃなくて!」
祐奈が苦笑しながら突っ込む。

「え?」

「雰囲気だよ、雰囲気が変わったの。オーラってやつ? ……なんか、マイルドになってんだよね」

あたしの、雰囲気? マイルド?

「前はさ、正直ダンスとか興味ないし、花梨がどんなに勧めても観る気になれなかったけど。今の花梨のダンスは、観てみたいって思うよ」

にやっと笑った祐奈は、あたしの酎ハイに、かちんと缶をぶつけた。

変わった……あたしが。

だとしたらそれは、きっと翔也のせい。
彼と出会って、彼を好きになったから。

あたし、翔也に会えてよかった……。



3日後、潤子さんから連絡がきた。
パリ行きが、正式に決まったらしい。
< 198 / 264 >

この作品をシェア

pagetop