Dance in the rain
「やややややばいよね、それって。やっぱりダイエットしなくちゃ!」
頭をかかえながら、あたしがテーブルの上にまだ残っていたカスタードプリンをジトォって見つめていると。
「そうじゃなくて!」
祐奈が苦笑しながら突っ込む。
「え?」
「雰囲気だよ、雰囲気が変わったの。オーラってやつ? ……なんか、マイルドになってんだよね」
あたしの、雰囲気? マイルド?
「前はさ、正直ダンスとか興味ないし、花梨がどんなに勧めても観る気になれなかったけど。今の花梨のダンスは、観てみたいって思うよ」
にやっと笑った祐奈は、あたしの酎ハイに、かちんと缶をぶつけた。
変わった……あたしが。
だとしたらそれは、きっと翔也のせい。
彼と出会って、彼を好きになったから。
あたし、翔也に会えてよかった……。
3日後、潤子さんから連絡がきた。
パリ行きが、正式に決まったらしい。