Dance in the rain
「翔也くーん!」
語尾を伸ばした、甘えた声がして。
ゴージャスなオーラをまとった美女が、白く長い足を惜しげもなく晒して歩いてきた。
「ディレクターさんが探してたよー?」
さりげなく、その細い指が翔也の腕にからまった。
どきんっ……
心臓が、嫌な音をたてる。
「え……あぁわかった」
翔也は少し困ったようにあたしに視線を戻すと。
「悪ぃ、話、なんだった?」
「ううん、大丈夫。大したことじゃないから。呼ばれてるんでしょ。もう行って?あたしもそろそろウォーミングアップしないといけないし」
「……そっか」
「うん。お互い、がんばろうね」
笑顔で手を振った。
顔がひきつってないことを、祈りながら。
翔也が、あたしに背を向ける。
遠ざかっていく。
その腕に抱き付くように寄りかかった美女は、翔也を見つめながら、延々としゃべり続けてる。
「会うの、ヴィラの撮影以来だね。あの時のカップルコーデ特集、すっごい好評だったんだって。だからね、瑠衣、編集さんにお願いしちゃった。また翔也くんと組ませてくださーいって」
「そりゃどうも」