Dance in the rain
マスターと純さん、不思議そうな顔を見合わせてから。
「うん、こっちはいいから、行っておいで」
「土曜だし、僕一人でも大丈夫」
って、あたしに頷いてくれた。
——オレのこと知りたいんだろ?
翔也の声が、耳に残ってる。
知りたい。
知りたい……。
それを望んでいることは、確かで。
あたしは、その誘惑に逆らえなかった。
◇◇◇◇
「ほんとにオレ様なんだから。勝手すぎ」
池袋駅の改札を抜けたあたしは、ぶつぶつつぶやきながら、スマホでグーグルマップを立ち上げた。
翔也からのラインに入っていたのは、<フェミール池袋>っていうところ。
ビルの名前かな? それともレストランとか?
住所と名前以外何も情報なくて、全然わからない。
首をひねりつつ、駅の西口から外へ出て、スマホの示すとおりに道をたどり始めた。