私と二人の物語
私と彼は、すぐ傍のベンチの真ん中に座った。

電車と同じこげ茶で、赤い手摺りが1、2、1に分けている木のベンチ。

抱きしめられた時に乗ろうと待っていた電車は、さっき発車したばかり。

さらに先頭付近のホーム。

近くに人はいなかった。

反対側のホームにも階段近くの方にしか人はいない。

そんな雰囲気に、私は思ったよりも落ち着いていた。


「俺たちは付き合っていたんだ」

そう言って戸惑っている彼に、私は家のすぐそばで起きた2年前の事故の事について話した。

たった一人の姉妹を亡くしたこと、そして、私が記憶を失ったこと。
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