鈍感過ぎる彼女の恋は。《完》
社長の婚約
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会社に戻り、社長室にいても仕事がないので高本の企画書作成の手伝いをしようと第一営業部に久しぶりに顔を出す。

女子社員に冷たい目で見られるか?と内心ドキドキしたけど、拍子抜け。

入ってきた私に目もくれず、ざわざわと何かの話しをしてるよう。


「めっちゃショックだよねぇー!」
「ショックどころじゃないよー!てか30でしょ?早すぎない??」
「近々全社的に発表パーティするらしいよ。こりゃもう止められないよ。」
「ああ〜小笠原さんに嫌な態度取っちゃって悪いことしたなぁぁ…」


不意に聞こえてきた自分の名前に驚き、何の話か聞こうかなと彼女たちの方へ向かおうとした時


「まさか蓮水社長に結婚考えてる相手がいたなんてね〜〜」



瞬間、時間が止まった。
身体が固まってしまったみたいに動くことかできない。

女子社員の一人が、あっと声を出してその様子に気づき、他の子達も自分の席に散り散りに帰って行った。



「ほらな。やっぱそう言う人いるんじゃん。」

資料を抱えた高本が隣に立つ。

「はは…だね。」


納得する反面、確実に傷付いてる自分がいて、やっぱり好きだったんだと自覚する。

だけど相手には婚約者がいて、社長という雲の上の存在。叶うはずない。


「ミーティングルーム行こっか。資料それ?」

高本の手から資料の束を取って、一刻も早くこの場から立ち去りたいと部屋を出る。
今はどんな情報も聞きたくない。

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