溺愛ペット契約~御曹司の甘いしつけ~
そんなことを思いながらお弁当を食べ終えデスクの上を片付けていると、オフィスのドアがガチャっと勢いよく開いて、こんな声が。
「ほな、本日はお騒がせしますけど、よろしゅうお願いしますー!」
うん? なんか聞き覚えのある関西弁……。パッとドアのほうを向けば、どぎつい黄色のジャージに身を包んだ赤髪の男性がそこにいて。
「み、明神さん!?」
なぜ、彼がここに……? もしかして、雑誌の撮影と関係あるのかな。
思わずガタッと席を立った私に気付いて、彼は目を丸くして驚く。
「なんや、誰かと思えば蓮人んとこのペットちゃんやないか。ここで働いてるん?」
そう言って人懐っこく笑う明神さんだけど、ペットがどうこう怪しい発言をするのはやめて~! 職場では空気のような存在感が売りなんですから、私!
案の定あからさまに同僚の注目を浴びているのを感じて、明神さんのもとに駆け寄り小声で頼み込む。
「あ、あの……ペットのことは、職場ではあんまり、その」
「あ、そうやな。ごめんな、気づかんくて。ていうか、似合とるやんそれ」
上から下まで私の全身を眺めたあと、満足げに口角をを上げる明神さん。
そっか。そういえばこの服、彼のデザインなんだよね。