溺愛ペット契約~御曹司の甘いしつけ~
どうしよう! これじゃエフェクターどころじゃないよ、理一!
テンパった私は慌てて店外に出て、バッグの中からスマホを出す。
すぐに理一の番号にかけると、彼はすぐに電話に出てくれた。
『どしたの?』
「あのね、どうしてかわからないんだけど、お金が全然ないの! 明日になったらとりあえず銀行で記帳して内容確かめるけど、支払いの予定も、自分で下ろした覚えもないのにおかしいよね……」
泣きそうになりながら、必死で訴える。
きっと、何かの犯罪に巻き込まれたんだ。どこかから個人情報が流出して、顔も知らない誰かが、勝手にお金を引き出して……。
もしかして、銀行より先に警察に行った方がいいのかな?
私の口座なんて大した金額はなかっただろうけど、あからさまに減ってるんだもん。怖いし気持ち悪いよ。
『あー。それ、もしかしたら俺かも』
「え……?」
理一の発言が理解できずに、私は間抜けな声で聞き返す。