溺愛ペット契約~御曹司の甘いしつけ~
「こういう日は予約時は満室でも、直前に意外とキャンセルがあるもんなんだ。ホテルにたどり着く前のデートで喧嘩別れするカップルがいたりしてな」
「そ、そうなんだ……」
キーを受け取ってエレベーターに乗り、部屋に向かうまでの廊下で、蓮人が教えてくれる。
いっそ部屋がいっぱいで、「やっぱり出張後にしなさいっていう神様のお導きじゃない?」なんて言える展開をちょっとだけ期待していた私としては、逃げ道を失ってしまい意気消沈気味。
そんななか部屋に到着し、ドアを開けてくれる蓮人にお礼を言って室内に足を踏み入れると、巨大な窓から一瞬にして緊張を忘れてしまうほどきれいな夜景が見えた。
自然に窓際に近づいていく私の後ろから、蓮人も同じ景色を眺めて言う。
「……またひとつ、違う東京の夜景が見れたな」
「うん。今までのどれも素敵だったけど、これも負けてない」
滑走路に離着陸する飛行機の光、空港の明かり。上空に輝く、月の輝き。この場所でなければ見ることのできない非日常的な光景に、うっとり見入ってしまう。
でも、蓮人はそんな私の肩をつかんでぐいっと自分の方に振り向かせて、私の体を窓に押し付けると、熱をはらんだ瞳に私を映した。