溺愛ペット契約~御曹司の甘いしつけ~
「ん~、おいひい」
具は何かというと、何もなし。お米ラブな私は、塩おにぎりが大好物なのだ。
そこに戻ってきた甲斐が、小さな瓶をテーブルに置いた。
「まったく、幸せそうな顔してんな……これ、かけてみろ。もっと美味くなる」
「なにこれ。見た目はおいしくなさそうだけど」
瓶の中には、白いカスのなかに黒いカビが混じっているような見た目の、とにかく食欲をそそらない物体がたっぷり詰まっている。
まさか、ペットだからって変な物食べさせようとしてないでしょうね。
「別に毒じゃねえよ。……ほら、おにぎり貸せ」
「あっ。ちょっと私のおにぎり!」
なかば無理やり甲斐の手に奪われた、私の塩むすび。彼はそれに、スプーンでとった瓶の中身をサラサラと振りかけて、再び私に返した。
いきなり口をつける気にはなれず、まずはくんくん匂いを嗅いでみる。
「……あれ。意外といいにおい」
「だろ? ほら、食ってみろって」
甲斐に促され、半信半疑で小さくひとくち齧ってみる。
むむ……ほどよい塩味のなかに、なんだか深いコクと高貴な香りがあるような。
「美味しい……なんなの、これ」
「トリュフ塩」
「えっ。ト、トリュフ……!? あの、世界三大珍味の!?」