溺愛ペット契約~御曹司の甘いしつけ~
私が袋から取り出したのは、スーパーやコンビニのお菓子コーナーで手軽に買える、今大人気のチョコレート“半熟カカオキッス”。
御曹司サマはこんな百五十円程度で買える庶民のお菓子食べたことないだろうけど、けっこう美味しいんだから。
「……じゃあ、いただく」
「うん。めしあがれ!」
神妙な面持ちでチョコの個包装を剥き、口に含んだ甲斐の反応を、ワクワクしながら待つ。
すると、甲斐はまるで吐き気でも覚えたように口元を手で押さえたため、私は慌ててしまう。
どうしよう、やっぱり、庶民の食べ物は口に合わなかったんだ! 安易に勧めるんじゃなかった……。
「ごめんなさい、口に合わなかった?」
オロオロしながら問いかけると、険しい顔をした甲斐がつぶやく。
「なんだこれは。ベルギーからの輸入品か?」
「え? いや、メイドイン・ジャパンなはずだけど」
「そうか……なかなかやるな。日本の企業も」
感心する甲斐を見て、ホッとする。
なんだ、美味しいってことか……紛らわしい反応しないでよまったく。