溺愛ペット契約~御曹司の甘いしつけ~


「さんざんこき使われてこのまま帰れるか! 新しいペット見せてもらうで」

「……わかったよ。そこにいるだろ」


言い合いをしながら入ってきたのは、甲斐と……なにやらキバツな格好をした男の人。

年齢は、二十代後半くらい。だぼっとした柄のズボンにまた別の柄のブルゾン……髪型は赤髪のパーマで、何より目立つのはハート型のサングラスだ。

このとてつもなく派手な人が、明神さんなの……?


「稀華。コイツ、友だ……知り合いの明神保(たもつ)。適当に服とか持ってきてくれたらしいから、いちおうお礼言ってくれ」

「いちおうってなんやねん。しかも友だち言おうとしてためらうな!……って、なんや、稀華ちゃんめちゃ可愛いやん。初めまして、明神ですー」


明神さんはサングラスを上にずらして、二ッと歯を見せて笑った。

な、なんかすごい怪しいんだけど……飼い主の指示には従わなければ。

私はすっくと立ちあがり、慌ててお辞儀をした。


「は、はじめまして! あの、私のために色々とありがとうございます……」

「ええねんええねん、ウチ服なんて腐るほどあるし」

「……そうか。じゃあ代金はいらねーな」


しれっと言い放つ甲斐に、今まで人の良い笑顔を浮かべていた明神さんの表情が豹変した。


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