溺愛ペット契約~御曹司の甘いしつけ~
「しばくぞお前。“世界のタモツミョージン”がデザインした服いくらすると思うてんねん」
「その関西弁で世界の~とか言われても信ぴょう性がなぁ……」
会話の内容から察するに、明神さんはどうやら有名なファッションデザイナーらしい。それなら個性的な服装も頷けるかも。
「一度夢を諦めたお前にだけは言われたないわ」
突き放すような明神さんの言葉に、甲斐の眉がピクリと動いた。
「……うるせえな。また書き始めたって言ったろ」
「今度は本気なん?」
「……ああ」
明神さんの問いに、なぜか私の方を見ながらそう答えた甲斐。
書き始めたって、なんのことだろう。それに、“夢を諦めた”って……。
「それならしゃーない。この服はタダでやるわ。そん代わり、また途中で投げ出すようなことあったら許さんからな」
「わかってる」
甲斐の返事に満足したのか、明神さんは「ならええ」と頷き、私に向かって手を振る。