溺愛ペット契約~御曹司の甘いしつけ~
「じゃあ俺は帰るわ。また遊びに来るな、稀華ちゃん」
「は、はいっ。お忙しいところありがとうございました。あの、お気をつけて」
「おおきに。ほなな」
手をひらひらさせて、ひとり玄関の方へ去っていく明神さん。
甲斐は特に彼を見送ることもせず、服の入った紙袋を漁り始める。
私は色々聞きたいことがあったけれど、甲斐の背中がそれを拒否しているように思えて、結局何も聞けないまま、彼のそばに一緒にしゃがんだ。
「どんな服なんだろう……」
「あいつの着てたようなのではないから安心しろ。タモツミョージンの特徴はああ見えて“シック”だ」
しっく……病気? いや、そんな不健康なファッションないよね。
甲斐はシックの意味につまづき考え込む私に気付いて、教えてくれる。
「上品だとか洗練されてるだとか、そういう意味だ。ほら、これなんかどうだ?」
甲斐が取り出したのは、落ち着いたスモーキーピンクのワンピース。袖はふんわりしたパフスリーブだけれど、ひざ丈のスカート部分はタイトになっている。