嘘つきな恋人
「じゃあ、なんで美鈴?」とさくらちゃんが俺の顔を見る。

「俺さあ、3月に店の外でさくらちゃんと美鈴ちゃんを見てる。
美鈴ちゃんが苦しそうに『何も出来なかった』って泣いてて、
この子は人のためにも泣いてるんだなって、
泣き顔を見ながら、
俺が涙を止めてやりたいなって何故か思ったんだよねえ。」

「ふうん。一目惚れだ。」

「なんだか、美鈴ちゃんの優しい心に直接触れたような気がしたんだよ。」
と俺が真面目な顔をすると、

「美鈴は目の前の相手の気持ちをとても大事にするのよ。
愛情も深いし、献身的で真面目だし。
彼女を大切にしてくれる人に出会って欲しい。」

「俺も結構愛情深い。付き合ったオンナには一途だよ。」

とアピールしてみる。
まあ、教師だって嘘はついてるけど…


「あのアホに美鈴ちゃんはもったいない。」とドラゴンが横から口を出す。

「本当に。」とさくらちゃんもため息をついた。
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