嘘つきな恋人
剛はあまり話さず、
三島さんが機嫌よく私にお見合い相手に質問するように
『趣味は?』『好きな食べ物は?』とか
いろいろ聞いてきて、
私が面倒臭そうにポツポツ返事をするのを
楽しそうに眺めていて、

「昔の俺を見てるみたいだな。」と笑う。

「いろいろ相手を知りたいのは惚れてるって事だよねえ。」
とドラゴンがカウンターの中で言って、

「ええ?バレちゃったかなあ」と大袈裟に言う三島さんが私に柔らかく笑いかける。

相変わらず、王子だ。

私が少し顔を赤らめると、

「気に入らねえな。」と剛は笑い、ピザに噛み付いた。


「ねえ。なんでリンはこの阿呆と付き合う事にしたの?」と言うので、

「うーん。不器用だったからかな…。信用できた。
ちゃんと私が好きなんだって…」と言うと、

「今でもちゃんと好きだよ。」と剛が私を見つめる。

「医師としては信用してるけど、恋人としては信用出来ない。」と言うと、剛は

はあー。と大きなため息を付いて、ビールを飲み干し、

「俺、帰るわ。」と立ち上がり、

「三島さん、美鈴送って行ってね。
…手はまだ出さないように…」と顔をしかめて出て行った。

三島さんは笑顔で剛に手を振る。



「…もう、遅いと思うけど…」と呟くドラゴンをさくらさんがちょっと睨む。


…まあ、確かに遅いよね。


三島さんは何も言わずにドラゴンに微笑みかけている。

私はウィスキーを飲む三島さんの横顔をチラリと見た。

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