嘘つきな恋人
「お酒もっと飲む?」と聞かれ、

「明日も勤務だからそろそろ帰ります。」と言うと、

「タクシーで送るよ。」と言われたけど、

「まだ、電車あるし、隣の駅だからひとりで帰れます。」

「いや、送るよ。
さっきの狼が部屋の前で待ち伏せてると困るし。」と笑う。

「大丈夫だと思うけど?」

「だって、お互いにちゃんと別れられてないし…
リンが押しに弱いのは、経験済みだ。」とくすんと笑って立ち上がった。

三島さんはカードで私の分も支払ってしまう。

「自分の分は自分で払います。」と言うと、

「次に奢って。」と私に笑いかけ、

「これで次のデートの約束ができた。」とレジにいたさくらさんにも微笑んだ。



…押しに弱い?かな。…と私が歩きながら

「こ、この間はちょっと酔ってたし…」と赤くなって言い訳すると、

「ハイハイ。」と私の手を取って、前を向いて歩く。

「手を離してください。」

「この間はつないだままだった。」とキュッと強く握る。

まあ、そうだけど…。

私はため息をついて

楽しそうに私の隣を歩く三島さんに引っ張られるようについていった。

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