嘘つきな恋人
「で?どのオトコ?」と私に笑いかける。

「もう、先輩、私は困ってるんです!」

と頬を膨らませていると、
やって来たさくらさんに今度は頬をつままれる。

「いらっしゃい。美鈴。」と藍色の浴衣姿がキリリと涼しげで綺麗だ。

「お招きありがとうございます。」と挨拶をする。


「三島さんも来てるよ。」と言われ、少し顔が赤くなる。

「…好きなんじゃん。」と麦さんに言われ、さらに顔が赤くなる気がする。

「コムギ(麦さんの事だ。親しいヒトはそう呼ぶ。)チョット座りなさい。大切な身体だから…」

とさくらさんが麦さんの手を引き、私も一緒にテーブルに案内する。

そこにはドラゴンと大河さんと三島さんがいた。

「リン、来たね。」と三島さんが微笑む。

「すごーくかっこいいじゃない。」と麦さんがさくらさんに言っているのがわかる。

「美鈴はカッコイイのが、気に入らないんだと思う」さくらさんの返事。

「カッコイイのは俺のせいじゃないと思うけど…
そうモテてる訳でもないよ。
実際、リンにはモテてないし…」と三島さんがクスクス笑う。



カッコ良くても、
私の恋と同じように
自分の思うようにはならないって
ことだろうか?
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