嘘つきな恋人
お酒を飲みながら、
モツァレラチーズの刻んだものに
特製のバジルが効いたフレッシュなトマトソースを和えたもの。
を少しづつ口に入れる。

これはメニューにはないけど、私が食べられない時に大河さんが出してくれる
裏メニューだ。
お酒だけ飲まずに、たんぱく質を取れってことらしい。
サッパリしていて、これだけは食べられる。

さくらさんとは反対側の2つ離れた席にいる細身の背の高いスーツ姿の男性が
私が食べているチーズを見て、

「サッパリしてて美味そうだね。俺も頼みたい。」

とカウンターの中にいるドラゴンに笑顔を見せた。

「いいですよ。裏メニューだから普段は頼めないけど、」と大河さんを振り返り、

「美鈴スペシャルもう1個。」と頼んでいる。


横にいる私を見て、

「美鈴ちゃんっていうんだ。今晩は。三島 裕人(みしま ひろと)です。」

とくっきりとした笑顔を見せた。
かなり整った顔のイケメンで
茶色いクルリとした二重の瞳が印象的だけれど、
かなり、オンナに慣れていそうな雰囲気で
軽そうだ。
好きなタイプではない。

と一瞥し、ちょっと口角を上げ、微笑んでから、
反対側にいるさくらさんに向き直った。

三島と名乗った男は
「ここのシェフの料理ってどれも美味いね。」とチーズを口に入れ、ドラゴンに話しかけてりして、
楽しそうに飲んでいる様子だ。

それきり私には興味がないようだったので、
安心して、ボンヤリお酒を飲み、
時折、さくらさんとポツポツ話して、
ため息をついたり、自分の考えに沈み込んだりしながら、
少し酔っ払った。
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