【完】こちら王宮学園ロイヤル部
「椛先輩の手伝いをしているのはよく見ますけど、
南々先輩も結構料理とかするんですね」
キッチンから出て来たルノが持つトレーの上に乗せられているのは、使い捨てタイプのプラカップに入ったアイスコーヒー。
しかもカフェショップやコンビニで使われている、蓋とストローの付いたタイプだ。
「冷蔵庫の中、綺麗に整頓されてましたけど。
中身がぎっしり入ってたので」
「一度にひとり分だけ作るのって逆に大変だから。
作った時に冷凍保存しておくの。……朝忙しいときなんかはそれ電子レンジで温めて食べるのよ」
……そういえば。
ルアとはじめて顔を合わせたとき、彼の部屋の冷蔵庫にはぎっしりとものが詰まっていたけど。
「ルアの部屋の冷蔵庫って、何が入ってるの?」
「……おとりよせできる、デザートとか」
どうやら、椛に毎度欲しいもの買い出しさせるわけにはいかないから、彼は取り寄せできるグルメなんかを注文していたようで。
え、それ学校に届くの?とは思ったけれど、そういえば王学の理事長は双子の父親なんだった。
「最近は、
コンビニで買ったスイーツなんかが入ってるよ?」
「……甘いもの好きね」
チョコレートを食べてるのをよく見るから、甘いもの好きなのは知ってたけど。
案の定コーヒーと一緒に出されたチョコレートをもぐもぐ食べているし。その割にはコーヒーはブラック派。……ルアの甘いもの基準がわからない。
「……ねえ椛。
あなたガムシロップ入れすぎじゃない?」
そして正反対なのが、飲み物は甘党を通り越して激甘にしている椛だ。
以前から紅茶にもストックシュガーを大量に入れているのを見たことがあるけど、いま彼の手元には開封されたガムシロップが4つ、フレッシュが2つ。
フレッシュ2つはまだわかるけど、ガムシロップ4つは見てるだけで胸焼けしそうになる。
……椛の甘いセリフなんかは、彼が摂取してる大量の砂糖でできてるんじゃないだろうか。