【完】こちら王宮学園ロイヤル部
「あ〜、これねえ。
もともと俺は甘いの好きじゃなかったんだけどさ〜」
「えっ」
「ほら、人妻ばっかり相手にしてた頃あるじゃん〜?
最初の頃は結婚しても変わらない"男"を見る目とかが気持ち悪くて、相手した後精神的に気分悪かったんだよねえ」
「……? うん」
「でも精神的なだけだし、身体はそうじゃねえんだよ〜。
だから強制的に吐くためにわざと大量の糖分摂ってたんだけど、途中から抗体ができたのか効かなくなってさ〜。逆に甘党になっちゃったんだよねえ」
……なんて身体に悪い。
彼の過去の話を聞いた以上、その人妻相手をやめればよかったんじゃ、とは言えないし。
いまも飲める歳じゃないんだけど、お酒っていう手もあったんじゃ?と思ったわたしに。
そこは譲れない彼の兄のプライド的なものがあるようで、「弟たちが覚えたら悪いこと困るからねえ」と、椛は笑っていたけど。
「ま、身体に悪いからそろそろやめなきゃな〜」
「……うん、病気とか怖いから早くやめてね」
本人的にもダメな自覚はあるらしいから、大丈夫だろう。
そう思ってコーヒーに口をつけて、ふと思い出す。
「……それで、結局何しに来たんですか?」
普通にくつろいでしまってるけど。
これじゃいつもと変わらないんじゃ、と思ったところで机の上に広げられたのは人生ゲーム。わざわざ持ってきたらしい。
「椛は途中で昼飯作るから、そこだけ2人組な。
っつーことで椛、お前誰がいーよ?」
付属品の準備をしながら、「特別に選ばせてやるよ」と莉央が言う。
みんなの顔を一巡してから楽しげに口角を上げた彼が、視線を合わせてきたのはわたしで。