【完】こちら王宮学園ロイヤル部
「おひめさまと一緒がいーな?」
無垢にこてんと首をかしげる姿が、計算されたみたいに可愛らしいのはなんでなんだろう。
別にいいけど、と言う前に反論の声を上げたのはルノで。
「選べるのずるくないですか?
僕だって南々先輩と組みたいんですけど」
「莉央が選んでいいって言ったから姫にしただけだよ〜」
「僕が嫌です」
「……るーちゃん姫のことが絡むとすぐ俺に反抗するよねえ。俺泣いちゃう。
姫、俺と一緒じゃ嫌? ルノのほうがいい?」
聞かれて椛でいいと言えば、ルノが拗ねたように視線を合わせてくれなくなる。
ゲームで拗ねられても困る。……っていうか、どっちみち椛が2人組のペアの固定なら、わたしとルノが同じ組になるのは無理だし。
「"俺と一緒でいい?"じゃなくて、"俺と一緒じゃ嫌?"って聞いたら、まちがいなく優しい南々先輩は「嫌」とは言わないんですよ。
さりげなく誘導尋問するのやめてもらっていいですか?」
「無意識に決まってんじゃねえの。
それ聞いて誘導尋問だと思うルノに、普段誘導尋問されてんじゃねえかなって今鳥肌たったわ」
よいしょ、とわたしの隣に移動してくる椛。
彼の首元で揺れた細いチェーンのネックレスにくすりと笑みが漏れたけど、わたしの目線の先に気づかなかったようで彼は不思議そうな顔をした。
「なんでもない。……始めましょう?」
「おー。やるぞー」
車を模した駒を並べて、ゲーム開始。
ソファに座ると遠いから、テーブルを囲うようにしてラグの上に座っているのだけれど。
椛がわたしの肩に両手を組んで乗せ、その上に顎を乗せている。
そのせいで、ほんの若干右肩が重い。