promise


優羽のバランスの取れた恵まれた体格は、サッカー部のエースストライカーとして惜しみなく生かされている。



長い足でボールを自在に操る優羽の顔は、いつに無く真剣でカッコイイ。



練習試合をこっそりと教室の影から見るのがわたしの定位置になっていた。



「キャー! 優羽くんカッコイイ!!」



フェンス越しにグラウンドを見つめる女の子たち。



言わずもがなで優羽の活躍を見に来たファンの女の子。



そして、その中にはこの間優羽と手を繋いでいた女の子も居る。



今グラウンドで戦ってる優羽は……あの娘の為に頑張ってるのかな。



そう思うだけで胸の奥がチクチクと小さく痛み始めた。



……こんなのもう慣れっこなはずなのに。



ふっと視線をグラウンドの優羽に戻すと、



「あっ」



跳ね上がったボールに向かい、高くジャンプした優羽が相手の選手とぶつかり一瞬よろめいた。



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