シンデレラの魔法は解けない
「あの……ごめんなさい。
また、お取り込み中でした……よね?」
どぎまぎして答えるあたしを、すごく気まずそうに見る平さん。
少し頰を染めて俯いた。
「ううん……家でデスクワークしてて」
照れている平さんがなんだか可愛い。
大人の男の人でも、こんな表情するんだ。
まじまじと見ているあたしに、
「だから言ったでしょ?
普段の俺は、いい男でも何でもないって」
相変わらず気まずそうに告げる。
こんな無防備な平さんもたまにはいい。
平さんのおかげで、恐怖もすっ飛んでしまったよ。