シンデレラの魔法は解けない





「ご飯……食べていません。

コンビニで買って来ます」




あたしは慌てて立ち上がり、玄関に向かおうとする。

そんなあたしの手を、平さんはぎゅっと握った。





「藍ちゃん。尾けられていたのに、危ないよ?」




まさしくその通りだ。

平さんといると安心するが、一人で外に出ることを考えただけで怖い。

さっきの出来事は、知らない間にあたしに恐怖心を植え付けていたのだ。


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