シンデレラの魔法は解けない












平さんの家に帰り、冷えたミネラルウォーターを飲んで、ようやく頭のほとぼりが冷めた。

平さんの言葉はすごく嬉しかった。

それでも、平さんは空き巣に入られて精神的にも穏やかではなかっただろう。

そんな時に、なんて話をしてしまったのだろうと思った。

あたしが出来ることと言ったら寄り添うことだけなのに、それすら出来なかったのだ。





「平さん……ごめんなさい」



思わず謝るあたしに、



「なんで謝るの?

藍ちゃんもすっきりしたでしょ?」



相変わらず優しく平さんが告げる。

そんな平さんに言っていた。


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