シンデレラの魔法は解けない






「好きだよ、藍ちゃん」




甘く切なく呟いて、再び唇を重ねる平さん。

ひたすら甘くって、まるであたしがアイスクリームになったみたいで、平さんに溶かされてしまいそう。

貪るように口付けを交わした唇を離し、



「藍ちゃん、好き」



吐息混じりに告げる。

あぁ、あたしはこの言葉を待っていたんだ。

そして、その言葉を聞くだけで、身体全身が甘い悲鳴をあげるんだ。




「平さんが好きです……

すごく好きです」




荒らされた平さんの仕事部屋の前にいるというのに。

周りからも丸見えだというのに。

平さんを離さないようにぎゅっと抱きしめていた。




あたし、信じてもいいんだね。

平さんの心もあたしのものだって。


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