シンデレラの魔法は解けない
壁にもたれかかる平さんに、
「あの……遅くなってごめんなさい」
遠慮がちに言う。
すると、平さんはあたしを見て、優しげに目を細めた。
その整った顔を見ると、不覚にも胸がきゅんと鳴る。
まただ、また平さんにときめいてしまった。
「俺こそ急に呼んですみません」
平さんは耳に響く、心地よい声で告げる。
その声に身震いする。
「ここで立ち話させる訳にもいかないので、早速行きましょう」
彼はそう告げて……おもむろにあたしの手を握った。
その手はやっぱり大きくて、意外にも力強くて、あぁ、男性の手だなんて思ってしまう。
そして例外なく胸が甘い音を立てた。